
サウナ付き賃貸、実は手入れが命!退去時に高額請求されないためのメンテナンス
近年、都心の高級賃貸マンションを中心に「室内サウナ付き物件」の人気が急上昇しています。自宅でいつでもサウナに入れるという贅沢な体験は、忙しいビジネスパーソンや健康意識の高い方にとって、もはや手放せない魅力になっていますよね。港区や渋谷区といった都心エリアでは、そういった設備を求めて問い合わせをされるお客様が年々増えており、「サウナ付き」という条件は高級賃貸を選ぶうえで欠かせないキーワードになりつつあります。
ただ、魅力的な設備であるからこそ、正しいお手入れをしないと後悔してしまうリスクも高いのが実情です。「入居してすぐカビが生えてしまった」「退去時に修繕費を高額請求されてびっくりした」——こういったトラブルの声は、サウナ付き物件に住んだことがある方なら一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。サウナは温度・湿度・木材・電気系統といった複合的な要素が絡み合っているため、一般的な設備と比べてケアを怠ったときの劣化スピードが格段に速いという特徴があります。
この記事では、サウナ付き賃貸に住んでいる方や、これから入居を検討している方に向けて、日常のお手入れから月に一度の本格メンテナンス、そして退去時に知っておくべき原状回復の基準まで、実践的な内容をまとめました。少し丁寧に読めば、トラブルのほとんどは未然に防ぐことができます。ぜひ最後まで読んでみてください。
目次
- 1.サウナ付き賃貸でよくあるトラブルとは?
- 2.週1でできるかんたんお手入れ習慣
- 3.月1回はチェックしたい!本格メンテナンスの手順
- 4.退去前に知っておきたい!原状回復の基準とは?
- まとめ
1. サウナ付き賃貸でよくあるトラブルとは?

カビの発生
サウナ室内は使用中に高温多湿になるため、換気を怠るとあっという間に木材の隙間や床に黒カビが繁殖します。「見えないところに生えているから大丈夫」と思っていると、気づいた頃にはカビが木材の奥まで根を張り、除去が非常に困難な状態になっていることも。特に賃貸の場合、「入居者の管理不足によるカビ」は原状回復費用の請求対象となるケースがほとんどです。最悪の場合、木材ごと交換となり、数十万円の費用が発生することもあります。
異臭・においのこもり
サウナを使い続けると、汗や湿気が木材に染み込んで独特の酸っぱいにおいが発生してきます。さらに換気不足が重なると、カビ臭や湿気臭がサウナ室全体にこもるようになり、使うたびに不快感を覚えてしまうことになります。においは一度染みつくと完全に消すのが本当に難しいので、使用後の換気と定期的な清掃を習慣にすることが何より大切です。また、前の入居者のにおいが木材に残っている場合もあるため、入居直後の状態をしっかり確認しておくことをおすすめします。
ヒーター・電気系統の不具合
ヒーターにホコリや汚れが蓄積すると、異常過熱や異臭の原因になります。また、なんとなく電気代が上がってきたと感じたら、ヒーターの不具合が原因になっている可能性があります。さらに厄介なのが、故障した際に「入居者の使い方が原因か、経年劣化か」で費用負担が大きく変わる点です。正しく使っていたという記録がなければ、不当な費用を請求されても反論しにくくなってしまいます。
木材の劣化・ひび割れ
サウナ内部の木材は、温度と湿度の繰り返しによって少しずつ傷んでいきます。乾燥しすぎればひび割れ、湿りすぎれば腐食が進む——どちらに転んでも木材へのダメージは避けられません。定期的なオイルケアをしていないと劣化のスピードが一気に上がり、ベンチやフロアにトゲが出てきて使用中に怪我をするリスクも生まれます。
排水まわりの詰まり・水漏れ
排水口に汚れが溜まって水はけが悪くなるのはまだ序の口で、床や壁の防水処理が劣化すると階下への水漏れにつながることもあります。賃貸で水漏れが発生した場合、下の階の入居者への損害賠償にまで発展するケースもあるため、特に注意が必要です。「ちょっと流れが悪いかな」と感じた段階で、早めに管理会社へ相談しましょう。
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2. 週1でできるかんたんお手入れ習慣

「サウナのお手入れって難しそう…」と身構えてしまう方も多いのですが、実は週1回・15〜20分の習慣を続けるだけで、先ほど紹介したトラブルのほとんどを防ぐことができます。特別な道具も専門的な知識も必要ありません。まずはここから始めてみましょう。
床・ベンチの拭き掃除
床とベンチは汗や水分が溜まりやすい場所なので、週1回は固く絞った雑巾で全体をさっと拭き取りましょう。「洗剤を使えばもっときれいになるのでは?」と思うかもしれませんが、市販の洗剤の多くは木材にダメージを与えたり、においが残ってしまう原因になります。汚れが気になるときは、重曹を水で薄めたものをスプレーして拭くのが効果的です。拭いた後は必ずドアを開けて十分に乾燥させることも忘れずに。
排水口のチェック・掃除
週1回、排水口の状態を目視でチェックする習慣をつけておくと安心です。髪の毛やゴミを取り除き、ぬめりが出てきたら重曹とクエン酸を組み合わせて軽く洗浄しましょう。重曹(大さじ2程度)を排水口に振りかけてからクエン酸(大さじ1)を加え、ぬるま湯を流すと泡立ちながら汚れを分解してくれます。水の流れが明らかに悪くなっていると感じたら、放置せずに早めに管理会社へ連絡を。
ヒーター周辺のホコリ取り
ヒーターは必ず完全に冷えた状態でお手入れしてください。使用後の熱いヒーターには絶対に触れないようにしましょう。冷えていることを確認してから、乾いた布やハケで表面のホコリを払うだけで十分です。たったこれだけですが、ホコリの蓄積が原因となる異常過熱や故障を未然に防ぐことができます。
においチェック
使用前に鼻でサウナ室内のにおいを確認するだけで、カビや劣化の早期発見につながります。カビ臭や酸っぱいにおいが気になり始めたら、重曹を小皿に入れてサウナ室内に置いておくだけで消臭効果が得られます。においが消えない、あるいは強くなっていると感じた場合はカビが発生している可能性があるため、早めに対処しましょう。
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3. 月1回はチェックしたい!本格メンテナンスの手順

週1のお手入れで日常的な清潔さを保ちながら、月に1度は少し踏み込んだ本格メンテナンスを行いましょう。合計で約1時間ほどかかりますが、設備の寿命を大幅に延ばし、退去時の思わぬ出費を防ぐための大切な作業です。
木材のコンディションチェック&ケア
月1回は木材全体をじっくり触って・見て確認する時間を設けましょう。ひび割れや反りがないか手で触れて確認し、黒ずみや変色(カビのサイン)がないか目視でチェックします。手のひらで撫でてトゲが出ていないかも確認しておくと安心です。乾燥が気になる場合はサウナ専用の木材オイルを薄く塗り込みましょう。必ずサウナ専用品を使うことが大切で、市販の一般的な塗料や防腐剤は高温環境で有害ガスを発生させる危険があります。オイルを塗った後は十分に換気・乾燥させてから使用してください。
ヒーターの本格点検
ヒーター表面に焦げや変色がないか確認し、使用時に異常な音(ブーンやカチカチといった音)がしないかもチェックしましょう。サウナストーンを使うタイプであれば、石に割れや欠けがないか月1回確認して、問題のある石は取り除いて交換してください。ヒーターに何か異常を感じた場合は、自分で修理しようとせず、必ず管理会社へ連絡してください。
排水・防水まわりの徹底チェック
排水口カバーを外して内部まで歯ブラシなどで洗浄し、重曹とクエン酸を使って月1回しっかり洗い流しましょう。加えて、床と壁の境目のコーキング部分にひび割れや剥がれがないかも確認してください。コーキングの剥がれは水漏れに直結するため、発見したら放置厳禁です。目地の黒ずみが気になる場合は、カビキラーを綿棒につけてピンポイントで塗布するのが効果的です。
ドア・パッキンのチェック
サウナドアの気密性は温度効率にも安全性にも関わる大切な要素ですが、意外と見落とされがちです。ドアを閉めたときに隙間がないか、パッキン(ゴムの縁)が硬化やひび割れを起こしていないか、ドアの開閉がスムーズかどうかを月1回確認する習慣をつけましょう。
換気扇・通気口の掃除
換気性能が落ちると湿気がこもり、カビや異臭の原因に直結します。換気扇のカバーを外してホコリを取り除き、通気口の詰まりも確認しましょう。換気扇を実際に回してみて、異音がしないか・風量が弱くなっていないかも合わせてチェックしてください。
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4. 退去前に知っておきたい!原状回復の基準とは?
オーナー負担と入居者負担の違い
原状回復とは、借りた部屋を退去時に元の状態に戻すことですが、すべての修繕費用が入居者負担になるわけではありません。国土交通省が定める「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」では、費用負担の区分が明確に定められています。長年の使用による木材の自然な変色やヒーターの経年劣化による故障、コーキングの自然な劣化といった「経年変化・自然消耗」はオーナー側の負担です。一方で、換気を怠ったことによるカビの発生や誤った使い方による故障・損傷、放置による腐食・水漏れといった「入居者の手入れ不足・過失」による損傷は入居者の負担となります。
| 状態 | 負担者 |
|---|---|
| 長年の使用による木材の自然な変色 | オーナー |
| 換気不足によるカビの発生 | 入居者 |
| ヒーターの経年劣化による故障 | オーナー |
| 誤った使い方による故障・損傷 | 入居者 |
| コーキングの自然な劣化 | オーナー |
| 放置による腐食・水漏れ | 入居者 |
退去時によくあるトラブルと対処法
高額な修繕費を請求された場合は、国土交通省の原状回復ガイドラインを確認したうえで、負担区分を冷静に主張しましょう。入居時からあった傷を自分のせいにされた場合は、入居時に撮影した写真や入居チェックリストが有力な証拠になります。また、契約書に「サウナ設備の特約」がある場合でも、消費者契約法に反する不当な特約は無効になるケースがあります。内容に疑問があれば、消費生活センターや弁護士に相談してみてください。
参考:国土交通省「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」 //www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/jutakukentiku_house_tk3_000020.html
関連記事:入居後2週間でやらなきゃ後悔すること!入居前の流れからわかりやすく解説!
まとめ
サウナ付き賃貸は、正しく使って丁寧にメンテナンスを続ければ、退去時のトラブルはほとんど防ぐことができます。サウナ付き賃貸は「手入れが命」。それさえ知っていれば、怖いことは何もありません。
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執筆監修

趙暉士(ちょうきし)|宅地建物取引士、賃貸不動産経営管理士、管理業務主任者、2級ファイナンシャル・プランニング技能士
賃貸リーシングとコンサルタントを経験し、後に売買仲介業務に従事。
(株)大京穴吹不動産、都心営業部、渋谷店、流通営業1課
