
会員制ジムに月5万円払っている人へ。そのジム、家の下に引っ越してもらいませんか
「ジムって、なんでこんなに高いんだろう」
会員制ジムやパーソナルジムに通っている方なら、一度はそう感じたことがあるのではないでしょうか。設備も清潔感も申し分ない。トレーナーも優秀。それでも毎月の引き落としを見るたびに、ちょっとだけ胸がチクッとする。月5万円となれば、年間で60万円です。
でも実は、ジムに払っているのは会費だけではありません。往復の移動時間、着替えや荷物の手間、混雑時の待ち時間。こうした「見えない会費」まで含めると、あなたは想像以上に高いお金を払っているかもしれないのです。
そこで今回ご提案したいのが、発想の転換です。ジムに通うのではなく、ジムが家の下にある住まいに引っ越してしまう。都心の高級賃貸には、フィットネスやスパ、ラウンジを住人だけが使えるレジデンスが実在します。
1. 毎月5万円、あなたは「ジムに通うため」に何を払っているか

会員制ジムやパーソナルを組み合わせて月5万円前後払っている方は、決して珍しくありません。設備やサービスを考えれば、妥当な金額だと感じている方も多いでしょう。
ただ、ここで一度立ち止まって考えてみてほしいのです。あなたがジムに払っているのは、本当に5万円だけでしょうか。
往復の移動時間という「見えない会費」
自宅からジムまで片道15分だとしても、往復で30分。週3回通えば、月に約6時間を移動に使っている計算です。
仮にあなたの時給を1万円とすると、それだけで月6万円分。会費より移動のほうが高くついている、なんてことも珍しくありません。
雨の日、寒い日、仕事でクタクタの日。「今日は行くのやめようかな」と思わせる最大の敵は、トレーニングのきつさではなく、この"道のり"なのかもしれません。
着替え、荷物、シャワーの二度手間
ウェアとタオルをバッグに詰めて、ジムで着替えて、シャワーを浴びて、また着替えて帰る。帰宅したらバッグの中身を洗濯機へ。この一連の流れだけで、毎回30分近くは取られています。
しかも、高級ジムのシャワールームがどれだけ快適でも、「やっぱり家のお風呂でゆっくりしたい」と、帰宅後にもう一度入っている方も多いはずです。
混雑と予約の「待ち時間」
仕事終わりの19時〜21時ごろは、どこのジムも混みやすい時間帯です。使いたいマシンが埋まっていたり、人気のスタジオレッスンが予約で埋まっていたり。会員制ジムでも、こうした待ち時間はゼロにはなりません。
ジムの空いている時間に合わせて、仕事や予定のほうを調整している方もいるのではないでしょうか。それもまた、立派なコストです。
「通う」こと自体がコストになっている
こうして並べてみると、月5万円の会費の裏には、移動・準備・待ち時間という三重のコストが乗っています。
往復の移動(週3回・片道15分)…約6時間(月あたり)
着替え・荷物・シャワー…約6時間
混雑・予約待ち…数時間
お金で健康を買っているつもりが、実はかなりの時間も一緒に払っているわけです。「ジムが高い」と感じる本当の理由は、会費そのものより、このトータルコストにあるのかもしれません。
では、もしそのジムが自宅のエレベーターで行ける場所にあったらどうでしょう。移動はゼロ。部屋着のまま下りて、終わったら自分の部屋のシャワーへ直行です。
2. ジムが"家の下"にある高級賃貸という選択肢
「家の下にジムがある」と聞くと、マンションの片隅にランニングマシンが2台置いてあるだけの部屋を想像するかもしれません。ですが、都心の高級賃貸の世界では話がまったく違います。
スパ、プール、ラウンジ、さらには居住者限定のイベントまで。会員制クラブがそのまま建物に入っているような物件が、東京には実在するんです。
六本木ヒルズレジデンス:街ごと"クラブ"になっている住まい


代表格といえるのが、森ビルが手がける六本木ヒルズレジデンスです。六本木駅から徒歩5分圏内の4棟構成で、総戸数は795戸。2003年に竣工した、言わずと知れたブランドマンションです。
注目したいのは、共用施設と居住者向けのサービス。フィットネススタジオやプール、トリートメントなどを備えた「六本木ヒルズスパ」に加え、24時間対応の健康相談室もあります。さらに、居住者だけが参加できるイベントも開かれています。
トレーニングの場だけでなく、ボディケアや健康管理、住人同士の交流まで「家の下」で完結する。毎月ジムに通い、別途スパやマッサージにもお金を払っている方にとっては、生活の動線そのものが変わる住まいといえます。
虎ノ門ヒルズレジデンス:ホテル級のスパとラウンジを日常に


もうひとつの好例が、虎ノ門ヒルズレジデンスです。地上52階建てのタワーのうち、住居は37〜46階のみ。ホテルやオフィスと同じ建物に暮らす、希少性の高いレジデンスです。
共用施設には、同じ建物に入るラグジュアリーホテル「アンダーズ 東京」のスパや、眺望の良いラウンジなどが用意されています。
バイリンガルのフロントサービスや、森ビルグループ関連施設を使える居住者向けベネフィットプログラムもあります。ラグジュアリーホテルのスパを"自宅の延長"として使える感覚は、街のジムではなかなか味わえないものです。
次の主役は「ブランデッドレジデンス」
最近、富裕層のあいだで存在感を増しているのが「ブランデッドレジデンス」です。高級ホテルなどの有名ブランドの名前とサービスを冠した住宅のことで、ホテル並みのサービスや施設を住人が日常的に使えるのが最大の特徴です。
日本での先駆けは、2007年に東京ミッドタウン内に開業した「ザ・パーク・レジデンシィズ・アット・ザ・リッツ・カールトン東京」。隣接するホテルのシェフによる出張サービスや、コンシェルジュなどが利用できます。
「施設付き」と「クラブ会員」は別物、という点に注意
ひとつ押さえておきたいのは、建物の共用施設や居住者特典と、本格的な会員制クラブはイコールではないということです。
外部の会員制クラブは、住居とは別に入会審査や入会金が必要なのが一般的。「住んでいれば自動的に会員になれる」わけではありません。どこまでが家賃に含まれていて、どこからが追加料金なのかは、物件ごとに必ず確認しましょう。
3. 会費5万円+今の家賃 vs. ジム付き賃貸の家賃、本気で比べてみた
都心で暮らす会員制ジム利用者Aさん
Aさんの毎月の出費
Aさんは港区在住の30代。仕事終わりに週3回、会員制ジムに通っています。住まいと"体のケア"まわりの出費は、こんな感じです。
現在の家賃………………………35万円
会員制ジムの会費………………5万円
スパ・マッサージ………………1.5万円
コワーキング・ラウンジ利用…2万円
合計………………………………43.5万円
家賃だけ見れば35万円ですが、「住まい+体のケア+くつろぎの場」に払っている総額は43.5万円。毎月8.5万円が"家の外"に流れていることになります。
見えないコスト「時間」を足してみる
1章で見たとおり、週3回ジムに通うと移動だけで月約6時間。時給1万円で換算すると6万円分です。これを加えると、
43.5万円+6万円=実質49.5万円
Aさんは、実は月50万円近い暮らしをしている計算になります。
ジム付き賃貸に住み替えたら?
仮に、フィットネスやスパ、ラウンジを共用施設として使える物件に、家賃48万円で住み替えたとしましょう。
家賃………………………………………48万円
ジム・スパ・ラウンジ…………………0円
移動時間の価値…………………………ほぼ0円
コワーキング・ラウンジ利用…………2万円
実質の月額………………………………48万円
「住み替えたほうが得」になるラインの出し方
ご自身のケースに当てはめるなら、考え方はシンプルです。
家賃の差額 ≦ 今払っている会費・利用料の合計+移動時間の価値
この式が成り立てば、住み替えは"贅沢"ではなく"合理的な選択"になります。時間をお金に換算しなくても、会費の合計だけで差額をまかなえるなら、迷う理由はほとんどありません。
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4. 「ジムあります」の"ジム"、ランニングマシン2台じゃないですよね?

マシンの「数」より「種類」を見る
最初に見るべきは、設備の中身です。有酸素マシンだけなのか。フリーウェイトやパワーラック、ケーブルマシンまであるのか。ここで、今のジムでの過ごし方が大きく変わってきます。
おすすめは、内見前に「今のジムで普段使っているマシン」を書き出しておくこと。それがそろっているかを照らし合わせれば、住んでから「やっぱり外のジムにも通わないと」となる失敗を防げます。
混み具合のリアル
設備が立派でも、使いたいときに使えなければ意味がありません。ここでチェックしたいのが、混み具合です。
総戸数が数百戸あるのに、マシンが数台しかない。そんな物件だと、朝や夜のピークタイムは取り合いになりかねません。ざっくり「何戸で1台を使うのか」を計算してみると、混雑のイメージがつかみやすくなります。
内見は「ピークタイム」に行く
できれば、平日の朝7時ごろや夜20時ごろなど、実際に自分が使いたい時間帯に内見してみてください。管理スタッフやコンシェルジュに「いちばん混む時間帯はいつですか?」と聞いてみるのもおすすめです。
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まとめ:「ジムが高い」と感じたら、住まいごと見直すタイミングかも
「ジムが高い」と感じる理由は、会費の金額だけではありません。往復の移動、着替えやシャワーの二度手間、混雑の待ち時間。そうした見えないコストまで含めると、月5万円の会員制ジムは、実は月10万円以上の価値を払っているのと同じかもしれません。
ジムに通う人生から、ジムが家の下で待っている人生へ。次の引っ越しでは、間取りや駅からの距離と同じくらい、「家の下に何があるか」で選んでみてはいかがでしょうか。

執筆監修

趙暉士(ちょうきし)|宅地建物取引士、賃貸不動産経営管理士、管理業務主任者、2級ファイナンシャル・プランニング技能士
賃貸リーシングとコンサルタントを経験し、後に売買仲介業務に従事。
(株)大京穴吹不動産、都心営業部、渋谷店、流通営業1課


